「電子図書館を考える」~セミナー備忘録

(自分用のメモです)

※登壇者は2名。そのうち、後の伊藤 倫子氏のものは、「公開不可」とのことでしたので、前段の金原俊氏の部分だけ。

2014年11月4日 「電子図書館を考える」

日本の公共図書館での電子書籍利用は、なかなか進んでいないのが実状です。2013年に電子出版制作・流通協議会が実施した調査によると、電子図書館サービスを実施している公共図書館は回答を寄せた225館中17館(8%)。それ以外の事例を含めても30館にも達していないというのが現状のようです。

一方、米国では全公共図書館の9割以上(米国図書館協会調べ)で電子書籍サービスを提供中とのこと。米国の公共図書館ではなぜこんなに電子図書館サービスが普及しているのでしょうか。日本との違いはどこにあるのでしょうか。実際、どのような使われ方をしているのでしょうか。

1部では、電子図書館の意義、現状、ビジネスモデル、今後の方向性などに関する、JEPA電子図書館委員会によるこれまでの検討内容を、 委員長の金原俊が報告します。
2部では、米カンサス大学図書館で司書として図書館業務に携わる伊藤倫子氏をお呼びし、米国公共図書館における電子書籍の現状や展望などを、利用する側の視点を交えてお話しいただきます。

日時: 2014年11月4日(火) 15:00-17:30(受付開始14:30)
場所: 飯田橋 研究社英語センター

主催: 日本電子出版協会(JEPA) 電子図書館委員会

題目: 1部 JEPA電子図書館委員会報告
【講師】 金原 俊  :医学書院取締役副社長

2部『今、米国公共図書館で電子書籍はどうなっているか:米国司書からのメッセージ』
【講師】 伊藤 倫子氏 :Japanese Studies Librarian, University of Kansas Libraries(カンサス大学図書館 日本研究司書)

http://info.jepa.or.jp/sem/022

「図書館」といっても、本セミナーの対象はあくまで「公共図書館」。

また金原さんの登壇は、JEPA・電子図書館委員会の委員長としてのご発言、というのが大前提のセミナーでした。

・電子図書館の定義もいろいろあるが、「自宅(館外貸出)で、雑誌・書籍を電子版で読む」ことをここでは指す。

・メリットはいくらでもあげられるが全くといっていいほど、日本では普及していない(全国3200館のうち、電子図書館導入中は30館程度=普及率約1%)
・普及していない理由も様々あるが、ここ十年ほどの委員会での討議また見聞の結果は、まず「ニーズがない」から。
その図書館が地盤にしている地域から電子版へのニーズが聞かれないのに、「予算がない」なか、電子版閲覧のためにお金を投ずるわけにいかない。すると出版社からすると電子版を作っても「売れない」のに、わざわざ「電子化しない」。こういった悪循環になっている(いた=後述)。

・電子図書館の意義が発揮され、その機能に意味が出てくるのは結局、県立図書館や大規模な市立図書館ではないか、というのが当面の結論。

理由:一般の公共図書館に備えていないような、専門書、実用書、レファレンスの類もこういった図書館なら購入しているし、利用者も蔵書していることを期待している。ところが広域な地域を対象にしているがゆえに、地理的な課題を逆に抱えている。

a.いちいち遠くまで足を運ばずに貸出を受けられ、読むことができる。
b.返却の必要がなく、便利。

と言ったメリットが実際機能するのは、このような図書館の場合ではないか。
・後は、上述ニーズをお互い確認したうえで、図書館業界と出版業界それぞれの納得がいくビジネスモデル・価格モデルを作れるかどうかにかかっている。

・というのも、実はアマゾン上陸や緊デジプロジェクトを契機に、数年前まで「鶏か卵か」と言われていた、電子版コンテンツそのものの供給という意味ではかなり充実してきているという事情があるから。

・ちなみに、医学書院では、2011年度新刊より、新刊とほとんど同時に電子化を進めてきている。また32種類の雑誌についてはすべて創刊号からの電子化を終えている。

・コミックをもつ大手出版社だけでなく、専門書出版社でも、「新刊から電子化」の体制を敷いている先がかなり増えてきている、という印象がある。

・JEPA電子図書館委員会で、「52回貸出モデル」を構想したことがある。貸出回数に上限を設けることで両業界が納得できる価格設定の議論が進むのではないかと期待してのこと。「52」の数字に確たる根拠はないが、要は米国(公共図書館の9割が電子図書館を導入済み、人口の7割が電子図書館の利用経験あり)に少しでも近づけるよう、お互い努力していきたい、その時の議論のたたき台との位置づけだ。


●国立国会図書館の電子書籍配信構想(長尾構想)に対して「日本電子出版協会案」 2010年2月5日
http://info.jepa.or.jp/pr/20100205

●「公共図書館における電子図書館推進のための留意点」 2012年10月18日
http://info.jepa.or.jp/whatsnew/20121018

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