B:脱「STAP細胞」
「すたっぷさいぼうは、ありまぁす」。
外からの刺激で体細胞を初期化する現象を「刺激惹起性多能性獲得」(英語名のstimulus-triggered acquisition of pluripotencyから「STAP」)」といい、その細胞の製作に成功したとして、独立行政法人理化学研究所の研究員小保方 晴子氏は2014年1月末、一躍時の人となったのも束の間、その論文に記述された実験の再現性が疑問に付され、一転、論文ねつ造疑惑の渦中の人となってしまった。
一年を経て、どうやらSTAP細胞は存在していなかったのかもしれない、ことになりつつあるが、電子書籍もつい昨年までは似たような境遇にあった。
「この『元年』って、いったい何度目だっけ」と揶揄され続けてきたのが電子書籍だった。それが2014年、STAP細胞の帰趨をしり目に、ようやく日本の市場に定着しようとしている。