電子教科書の規格標準化の意義~【セミナー備忘録】EDUPUB TOKYO 2014 公開セミナー

これで4回目となる国際会議「EDUPUB」が東京で開催(EDUPUB Tokyo 2014) され、EPUBの策定団体IDPF、それにQTI、LTI、Caliperなどの策定団体IMS/GLCの幹部、それに1回目、ボストンの会議をホストしたピアソンの担当者が来日した。三日間の日程の最終日、DAY3の催しとして、今回のホスト、IDPF、JAPET&CEC、JEPAが主に日本人向けに日本語での報告会を開催した。

●9月18日 EDUPUB Tokyo 2014 公開セミナー – JEPA http://info.jepa.or.jp/seminar/20140918

host edupub tokyo 2014

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「読書」を変える、EDUPUB・オープンアノテーション

1.いよいよ「EDUPUB TOKYO 2014」の開催

9月16日(火)、17日(水)、IDPF、JAPET、JEPAの共同主催で国際ワークショップが東京において開催される。
http://www.jepa.or.jp/edupub/jp.html

出版とWebが融合したのが「EPUB」。その融合した世界に「教育」を招請するのが、EDUPUBのワークショップ。昨年夏から毎週電話会議で世界中の関係者が議論をしてきたが、節目での確認と面談の会議がすでに3回(Boston(2013年 10/29~30)、Salt Lake City(2014年 2/12~13)、Oslo(2014年 6/19))開催され、今回東京が4回目。

webと出版の一体化
(「EDUPUB報告(EPUB 3/HTML5の見地から」村田 真 氏 2013年12月4日 より )

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●アメリカの教育関係者の証言:Chromebook のおかげで、すべての生徒にコンピューティングが行き渡った

D:<学習・教育のデジタル化>と<脳と身体の生態史観>

●アメリカの教育関係者の証言:Chromebook のおかげで、すべての生徒にコンピューティングが行き渡った http://bit.ly/1knhRhU

「1台のデスクトップ・コンピュータを購入する費用で、3台の Chromebook が買えるだろう。また、Chromebook は自動的にアップデートされるため、サポートに要する時間とコストを、私たちは節約できる」。「(2014年)4月〜6月期に、1 million 以上の Chromebook が学校に導入された(略)2013年全体で 2.1 million しか売れなかったことを考えると、Chromebook は大きなピークが訪れている」。

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セミナー備忘録:電子教科書のドリルをどうする!?(2)~「教育の再設計」とEDUPUB

7月28日付記事に書いたように、このセミナーがカバーしたイッシューとしては大きく3点があった(IMS Content Packaging/IMS QTI /IMS LTI)わけだが、一番これから論議を呼びそうなのは、セミナーのタイトルにもなった「ドリル」、「QTI」だ。

プレゼン資料29/35を見てみる。

標準装備かリーダー依存か

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セミナー備忘録:電子教科書のドリルをどうする!?

7月28日 電子教科書のドリルをどうする!?

EDUPUBでは、対話的テスト、自動採点、集計、分析などの標準が制定されようとしています。
Wilbert Kraan氏に、IMSの技術がどのようにEDUPUBに利用されているかを概観していただき、さらにIMS Content PackagingとQTIの利用について述べていただきます。
米国では広く知られているIMSの技術も、日本ではあまり知られていません。日本で詳細なチュートリアルを開くのは有益だと思いますので、皆様ご参加下さい。

講師:Wilbert Kraan 氏
通訳:村田 真 氏(JEPA技術主任)

日時:2014年7月28日(月) 15:00-17:30
場所:神保町:日本教育会館 9階 平安の間
主催:JEPAプラットフォーム委員会
共催:大学ICT推進協議会(AXIES)学術・教育コンテンツ共有流通部会、JMOOC学習ログ・ポートフォリオ部会

http://info.jepa.or.jp/seminar/20140728

プレゼン資料 http://www.slideshare.net/JEPAslide/sem015-kraan

(あくまで個人のメモを記録するものです。門外漢が記述していますので、勘違い、理解相違もあり得ますので、その点御考慮ください。またお気づきの点があれば是非、ご教示ください)

1.CETISは英国におけるIMSのセンター的組織になるべく設立された、教育分野での各種技術の相互運用標準化団体(Centre for Educational Technology and Interoperability Standards)。

IMSはここでは、「IMS Global Learning Consortium」のこと。

登壇者のWilbert Krran氏はCETISのAssistant Director。IMSが「Content Packaging」の仕様を決めた際の委員会でCo-Chairをされた方。また「QTI」でもCo-Chairを務めた。

2.IMS Content Packaging とは、

A.学習教材(コンテンツ)利用を活発にするため、システム間で、
・import/export
・aggregate/disaggregate
を容易にするような仕様を取り決めたもの。

B.organization(説明)とresources(コンテンツ)で構成される。

C.コンテンツのフォーマットとして、 Flash, Word docs, PDF, IMS QTIが射程距離にはいっている。

D.また対象システムとしては、
・Learning Management Systems (LMSs),
・repositories and
・authoring tools
などが想定されている。

○経緯:
・1999年 最初のドキュメントが起草(「1.0」)
・2004年 「1.1.4」でSCORMに採用。
・2009年 ISO 12785に認定(「1.2 public draft2」)

※EPUBとは、C.、D.の点で全く異なるのがわかる。むしろIMS Content Packaging の側で、EPUBを取り扱えるよう仕様を変更する筋合いのものかと推測されるが、そういうことも含め、「No current plans for further development」とのことだった。ただし「変種」はいくつかあり、たとえばIIMS 自身が、MS Common Cartridge(「1.3」 2013年)を作っている。

3.IMS QTI は「ドリル」「テスト」「演習問題」の類の技術的相互運用を可能にするための仕様で、「Question and Test Interoperability」の略。

○学習教材(コンテンツ)のアクセス可能性(検索して見つける)や、既存のコンテンツを容易に再利用して新規コンテンツを作成する(再利用性)ことが意識されていたため、次第にW3Cのモジュールのひとつである「XHTML」が意識され、XMLで記述されるフォーマットで再構成された(QTI2.0以降)。

3-1.QTI2.1の構成

A.Items:(「ドリル」「テスト」「演習問題」の)個別質問の要素に関する仕様。表示とは独立している点がポイント(※)。
B.Tests:(「ドリル」「テスト」「演習問題」の)実施面の仕様(定義やナビゲーション、採点)。学習者の習熟度にあわせ問題をスキップするなども可能にする仕様。
C.Packaging and metadata:個別素材を組み合わせるパッケージングのための仕様、およびそのメタデータ記述についての仕様
D.Results:採点結果の分析、評価をするため統計整備のための仕様

※ちょうどブログのWordPressが「テーマ」を変更しても、コンテンツ、データの類は新しいテーマに引き継がれるように、豊富なテンプレートを使いひとつ作成した「テスト」から、複数のテストのパリエーションを作成することができる。教材作成の生産性があげられる。

3-2.Accessible Portable Item Protocol

学習者のプロファイル(audio、video、textのどれを好むか)に応じた教材の選択。

3-3.実装、採用動向

・オランダ:高校に全面採用
・ドイツ:大学コンソーシアムで採用するところがある。
・フランス:高校の数学で採用。
・韓国:EPUBベースの電子教科書に採用する方向。

 

3-4.今後の更改の方向性

・「Content Packaging」と異なり、「QTI」は更改作業が続けられている。
・HTML5との融合が課題。
QTIとhtml5

4.IMS LTI

・Learning Tools Interoperability の略。「LMS―外部ツール」間連携のための標準規格。LMSとはLearning Management System(学習管理システム)の略で、eラーニングでのOS(オペレーションシステム)とも言える存在。

・IMS LTIは LMS 上の外部ツールへのリンクすべてに一意な ID(resource_link_ID)を付与し、起動のたびにそれを外部ツール側に通知する点が優れている。これは他の仕組みにはない。

・このIMS LTI、またIMS QTI とEPUB(ここでは電子教科書、電子教材)とをどう連携させるかについてはさまざまな方法論があり得、まだ定見がない状態。

IMS LTIを使ってEPUBに「ドリル」「テスト」「演習問題」を結びつける方法論、それはやめて、IMS QTI をEPUBの要素にしてしまい、「ドリル」「テスト」「演習問題」を取り入れることで実現する方法論、などが議論されている。

・仮に後者だとすると、IMS QTI のバージョンアップが必要で、すでに現行バージョンが普及し、実装が進んでいるところには迷惑な話。一方日本のように、ほとんどIMS QTI の実装事例がなくむしろEPUBが普及し(始め)ているところでは前者のほうが取り組みやすいことになる。

LTIを通して

 

QTIをEPUBに

 

■用語集

SCORMとはShareable Content Object Reference Model)の略。eラーニングのプラットフォームとコンテンツの標準規格。 アメリカの国防省系の標準化団体ADL (Advanced Distributed Learning Initiative) が制定。

JSONとはJavaScript Object Notationの略で、XMLなどと同様のテキストベースのデータフォーマット。その名前の由来の通りJSONはJavaScriptのオブジェクト表記構文のサブセットとなっており、XMLと比べると簡潔に構造化されたデータを記述することができるため、記述が容易で人間が理解しやすいデータフォーマットと言われている。

XHTML( Extensible HyperText Markup Language )とは、Webページを記述するためによく使われるHTMLを、XMLに適合するように定義し直したマークアップ言語。W3Cが仕様策定を行っている。現在の最新版はXHTML 1.1で、「文書の見栄え」を指定するタグを廃止(見栄えの記述は全てCSSで行うことになった)するなど、文書構造の記述に特化した言語へと変化しつつある。

■関連URL

・[CETIS] http://www.cetis.ac.uk
・[Wilbert Kraan] http://wilbert.kraan.hackingtheuniversity.net/

・[IMS Global Learning] http://www.imsglobal.org/
・[IMS Caliper] http://www.imsglobal.org/IMSLearning

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『情報note|知のパラダイムシフト』2014年8月一号
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「デジタル化」への真の理解なしに、仕事の評価も、ビジネスの存続もない。
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after :「ドリルをどうする!?」

タイトルのつけ方、って大事。

その好事例。

before :IMS Content PackagingとQTIの利用

after :「ドリルをどうする!?」

●7/28 Wilbert Kraanさん「ドリルをどうする!?」
http://peatix.com/event/43791/
EPUBで日本の「読み物」の電子化は進んでいますが、問題集、ドリル、テストなど対話型コンテンツの電子化をどうするのか? について技術的な解説です。

 

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デジタルが社会を変えていく。仕事と生活へのヒントを。
『情報note|知のパラダイムシフト』2014年7月三号
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●生物学のデジタル教科書決定版がiBooksでついに登場

D:<学習・教育のデジタル化>と<脳と身体の生態史観>

●生物学のデジタル教科書決定版がiBooksでついに登場 http://www.gizmodo.jp/2014/07/ibookslife_on_earth.html

ピュリッツァー賞受賞者である作家兼博物学者のE. O. Wilson率いる財団が長年の一大プロジェクトとして完成させた教科書。無償で公開。iBooksから。

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