OECDもピケティにエール

経済問題と社会問題。

社会が安定していないと経済もうまく回っていかない。他方、経済が順調でないと不満がたまり社会が安定しない原因のひとつになる。20世紀、経済成長さえうまくいけば、社会問題を解消して社会の安定が得られた時期が確かにあった。

しかしあれは、つまり1950年代から70年代にかけては、極めて特殊な条件がたまたま出そろった「僥倖」のうよう時期であって、人為での再現は困難と、21世紀になって一部の学者の間などでは総括されていたが、それを追認するレポートをOECDが出した。

 

トリクルダウンは無かった

安倍政権はまるで小保方氏のようだ。

いまだに、「トリクルダウンはありまぁす」と言っている。成長、経済が先で、第三の矢を射さえすれば、社会問題は解消する、という20世紀型の発想から逃れられていない。

しかし2014年12月9日、OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)は所得格差は経済成長を損ない、所得格差を是正すれば経済成長は活性化されるとの最新の分析を発表したのだ。

「(20世紀、実は)トリクルダウンは起こらなかったし、所得格差は経済成長を損なう」という衝撃の報告。

つまり1950年代から70年代にかけての輝かしい実績を背景に、20世紀に、主流となった考え方、トリクルダウン。経済を優先させれば格差が解消し、社会問題を解決するのに役立つという(経済の成長が社会の隅々に浸みわたっていく(=トリクルダウン))概念は否定された。むしろ逆で、まず社会問題、特に格差問題に取り組んではじめて、成長も可能になる、としている。

安倍さん、ピケティの『21世紀の資本』、読んでください。

 

◇関連クリップ

●所得格差は経済成長を損なうか? http://www.oecd.org/els/soc/Focus-Inequality-and-Growth-JPN-2014.pdf

●『21世紀の資本』 http://www.amazon.co.jp/dp/4622078767/sasazamani-22/


ピケティ用語集 http://bit.ly/1vjytXR

ピケティ勉強会(4) 実は、ピケティはこうも言っている。 http://society-zero.com/chienotane/archives/24

「デジタル化」への真の理解なしに、仕事の評価も、ビジネスの存続もない。
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