ピケティ勉強会(1) (まとめ)『21世紀の資本論』

(※日本のKindleストアで購入できます)
0.ピケティ自身が公開しているデータ集
・エッセンスや要約本(洋書=Kindle本)
1.『21世紀の資本論』を取り上げた媒体とクリップ一覧

 1-1.商業雑誌
1-2.ネットからのクリップ(シンクタンク等のレポート、論考)

((1)はここまで)   (以下は(2)で)

2.書籍の特徴

3.内容の特徴
3.ピケティが言った(と日本のマスコミが書き立てている)こと

4.内容に対する賛否
4.実は、ピケティはこうも言っている

(改訂・補筆 2014年9月7日)
(改訂・補筆 2015年1月24日)


0.ピケティ自身が公開しているデータ集

★”Capital in the 21st century – Thomas Piketty http://piketty.pse.ens.fr/files/Piketty2014Capital21c.pdf
「『21世紀の資本論』が問う、中間層への警告」で、いま話題のピケティ。彼の米国でのプレゼン資料。著書をささえる豊富なデータが開示されている。

・エッセンスや要約本(洋書=Kindle本)


1.『21世紀の資本論』を取り上げた媒体一覧

1-1.商業雑誌

・ピケティ『資本論』の数字に疑義
ロ.週刊東洋経済2014年7月26日号

特集 21世紀の資本論 : ピケティは問う あなたはいつまで中間層か
PART1:ピケティを読む
・格差の現実を直視せよ : 『21世紀の資本論』著者 トマ・ピケティ 独占インタビュー/ピケティ  トマ
・5分で読んだ気になる! 『21世紀の資本論』3つのポイント
・もっと理解するための視点 成長理論で読み解く 富める者がますます富む構造/池田 信夫
・もっと理解するための視点 グローバル資本主義の中で 中間層は解体されてしまう/水野 和夫
・米国はなぜピケティに熱狂するのか/カッツ リチャード
・足元に広がる貧困の芽
PART2:日本の中間層は大丈夫か
・貧困はそこにある あっけない転落/藤田 和恵
・年収1000万円でも安泰じゃない サラリーマンを襲うル家計危機/八ツ井 慶子
・病気で一変する普通の生活 闘病、経済的負担も大変/仲宇佐 ゆり
・弁護士・会計士=士業(さむらいぎょう)の憂鬱 「貧乏士族」が増えている/佐藤 留美
・実施したのはわずか1割 賃金のベースアップは中小企業に広がっていない/藤野 二郎
・名門校→大手電機の私が生活保護を受けるまで/藤野 二郎
ハ.エコノミスト2014年8月12日


・ピケティ理論と日本経済 資本分配率の上昇は日本には当てはまらない/深尾 京司
・ピケティ理論で知る資本主義の本質/柴山 桂太

ニ.中央公論2014年8月号

Economics 資本主義の中枢でマルクスが蘇った? 『21世紀の資本論』が米国で読まれる理由/広瀬英治

ホ.世界 2014年8月号

ピケティ・パニック : 『二一世紀の資本論』は予告する

ヘ,文藝春秋スペシャル10月号

・「今世紀最も重要な経済書」
オバマも注目『21世紀の資本論』が米国で40万部も売れた理由(広岡裕児)
・特別寄稿 世界的な歴史人口学者が絶賛
ピケティ 鮮やかな「歴史家」の誕生   (エマニュエル・トッド)

1-2.ネットからのクリップ(シンクタンク等のレポート、論考)

●ピケティ氏の陰鬱な「資本論」 ウォール街に警戒 http://www.nikkei.com/markets/column/ws.aspx
米国での賛否、論評のポイントを整理した論考。格差が産みだされるメカニズムの実証にはおおむね賛成。しかし、その処方箋(「富裕層に最大80%のきつい累進税を課すべきだと提案。課税逃れを防ぐため、これをグローバルに導入せよ=「経済格差、資本と労働、再分配の理論を統合した“統一場理論”(クルーグマン)」)には批判も多い。また。「資本主義は民主主義の奴隷であるべきだ」との主張にも金融界を中心に反発が強い。

●「21世紀の資本論」ピケティ氏は急進的なのか http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304357604579585450142850362
「ピケティ氏はエリートの道を登りながら、周りの人々の両親や祖父母(多くの場合、祖父母の4代前の先祖も)が自分の家族よりもはるかに恵まれていたことに気づかずにはいられなかった」。その原点から産まれたこの著述は、しかし米国で売れ、フランスではそれほどでもない。資本主義が不平等の拡大を作り出し、社会秩序を根元からむしばむ、という考え方は米国内で議論の的になったが、フランスでは全く逆で、福音書なのである」。フランスで彼は保守派と目されているのに、米国では左寄りと認識されている。

●ジェームズ・ハミルトン「ピケティへの批判」 — 経済学101 http://bit.ly/1mvcg6v
減価償却のことが見過ごされている、というのが『21世紀の資本主義』への学術的な批判の核心。

(以上 https://societyzero.wordpress.com/2014/05/30/00-18/ )

●『21世紀の資本論』が問う、中間層への警告 http://toyokeizai.net/articles/-/43050
彼は、こう言っている。「私の主張を裏付ける端的な例は、日本社会だ」(週間東洋経済:2014.7.26 P.32)。「誰もが成長を実感し、ささやかながらも豊かさを享受できた社会。それがすでに過去のものというのは、現代に生きる日本人の実感といっても、いいのではないか。好景気を実感するよりも、人生という長いレースで貧困側に転落しないか、その不安におののいている人のほうが多いのではないだろうか」。

(以上 https://societyzero.wordpress.com/2014/07/31/00-41/ )

●ピケティを読む:齋藤潤の経済バーズアイ http://www.jcer.or.jp/column/saito/index667.html
「ピケティは、経済学において不平等の問題が忘れられていた背景には、経済学が「代表的な個人」を前提にしたモデル構築を重んじてきたことがあることを指摘(16頁、135頁)。さらに、経済学は過度に数学的なモデルに依存し、実社会における具体的な問題に対する「政治的、規範的、道徳的」な目的意識を忘れてしまっているとも指摘してい」る。

●CAPITAL in the Twenty-First Centuryが示す世界:Newsletter2014年第27号  http://www.iima.or.jp/Docs/newsletter/2014/NL2014No_27_j.pdf
戦争は、皮肉なことに不平等を解消する作用を持っていた。そしてリスタートした戦後、現在の先進国中間層の拡張期、格差は低く抑えられていたが、1980年代以降再び拡大方向へ転じた。資本主義にはどうしても格差を再生産する作用があり、グローバル化、市場主義の世界化は、格差の世界拡散に結びつきやすい。世界規模での対策、たとえば所得と資産への累進課税を提唱するのが、ピケティ氏の『21世紀の資本主義』だ。「図 10 古代から現代までの資本収益率、成長率と今後の見通し」を見れば、そのスケール感の壮大さがわかる。

●資本主義2題:設研の視点 http://www.dbj.jp/ricf/pdf/information/column/RICF_Column_20140609.pdf
ピケティ氏への反論。「資本収益率の向上を目指す過程で生まれる経済発展やイノベーションのダイナミズム(パイの拡大)をもって是とするか、持つものと持たざるものとの格差拡大(パイの収奪)をもって否とするのか、資本主義の功罪は古くて新しい議論」。

(以上 https://societyzero.wordpress.com/2014/08/21/00-63/ )

●アメリカ経済を考える「格差問題に関する米国の論点(5)~「21世紀の資本論」とリベラル派の焦り~」 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1316
米国の政界での論争の様子を整理。「リベラル派が「中間層を守ることができる現実的な政策を提示できなかった」現在の米国でも、中間層以下の底上げに関して注目されているのは、むしろ保守派陣営の「改革派保守*」であり、最低賃金引き上げ等のリベラル派の提案に、新味が欠けるのは否めない」。

○ジョセフ・スティグリッツ―格差は必然的なものではない 『現代ビジネスブレイブ グローバルマガジン』—「ニューヨークタイムズ・セレクション」より http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40123
資本主義に内在するメカニズムというより、むしろ民主主義、とりわけ米国の政治制度の欠陥に対するいらだちへ展開する論考。「最新版の資本主義はニセモノの資本主義だ。その根拠は、今回の大不況への我々の対応に現れている。そこでは、利益が私物化されたにもかかわらず、損失は社会が受け皿となった」。「アメリカの政治制度は、金銭によって荒廃させられている。(略)資産家たちは、政治的手段によって、必ず収益率を高く維持できる結果を生むようなルールを設計しそれをやってのけているのだ」。

●米国の格差拡大と長期停滞論~『21世紀の資本論』から『負債の家』へ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us140826.pdf
『21世紀の資本論』は、所得の成長は資本の成長に敵わない、と指摘した。その構図を跳ね返すものとして、貯蓄(時間の保蔵)と借金(時間の前借り)がありえ、世紀の変わり目に住宅ローン推進という形で後者が米国では政策化された。しかしそれは『負債の家』として、未来の時間を奪う形で、米国社会を重苦しく覆っている。

●『21世紀の資本論』が描く 米国経済の状況 http://net.keizaikai.co.jp/archives/11633
「全くその通りのことが、200年前ではなく、いまこの時点で米国で起きている」、という実感が発刊のフランスより米国で話題になっている主因。

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ピケティ用語集 http://bit.ly/1vjytXR

ピケティ勉強会(4) 実は、ピケティはこうも言っている。 http://society-zero.com/chienotane/archives/24

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